○熊本大学動物実験等に関する規則
(平成19年1月25日規則第4号)
改正
平成19年3月30日規則第163号
平成21年3月26日規則第98号
平成21年12月24日規則第283号
平成22年9月30日規則第183号
平成23年3月24日規則第10号
平成25年1月9日規則第1号
平成28年3月31日規則第184号
平成30年3月22日規則第126号
平成31年3月28日規則第205号
令和2年3月31日規則第142号
令和4年3月30日規則第74号
令和6年2月22日規則第23号
目次

第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 適用範囲(第3条)
第3章 学長の責務(第4条)
第4章 動物実験委員会(第5条-第10条)
第5章 動物実験等の実施(第11条・第12条)
第6章 施設等(第13条-第18条)
第7章 実験動物の飼養及び保管(第19条-第28条)
第8章 安全管理(第29条-第31条)
第9章 教育訓練(第32条)
第10章 自己点検・評価・検証(第33条)
第11章 情報公開(第34条)
第12章 雑則(第35条-第38条)
附則

第1章 総則
(趣旨及び基本原則)
第1条 この規則は、科学的観点、動物愛護の観点及び環境保全の観点並びに動物実験等を行う教職員・学生等の安全確保の観点から、熊本大学(以下「本学」という。)における動物実験等並びに実験動物の飼養及び保管を適正に行うため、学長の責務、動物実験委員会の設置、動物実験計画の承認手続、実験動物の飼養及び保管等に関し必要な事項を定める。
2 動物実験等については、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。)、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。)、研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。以下「基本指針」という。)、動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号)、その他の関係法令等に定めがあるもののほか、この規則の定めるところによる。
3 動物実験等の実施に当たっては、法及び飼養保管基準に即し、動物実験等の原則である次の3R(Replacement、Reduction、Refinement)に基づき、適正に実施しなければならない。
(1) Replacement(代替法の利用:科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること。)
(2) Reduction(使用数の削減:科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により実験動物を適切に利用することに配慮すること。)
(3) Refinement(苦痛の軽減:科学上の利用に必要な限度において、できる限り動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないこと。)
4 実験動物の飼養及び保管に当たっては、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、動物福祉の基本理念である5つの自由(飢え及び渇きからの解放、肉体的不快感及び苦痛からの解放、傷害及び疾病からの解放、恐怖及び精神的苦痛からの解放、本来の行動様式に従う自由)に配慮して実施しなければならない。
(定義)
第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 動物実験等 実験動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供することをいう。
(2) 動物実験施設 実験動物の恒常的な飼養若しくは保管又は動物実験等を行う施設・設備をいう。
(3) 実験室 実験動物に実験操作(48時間以内の一時的保管を含む。)を行う動物実験室であって、動物実験施設以外のものをいう。
(4) 施設等 動物実験施設及び実験室をいう。
(5) 実験動物 動物実験等の利用に供するため、施設等で飼養又は保管している哺乳類、鳥類又は爬虫類に属する動物(施設等に導入するために輸送中のものを含む。)をいう。
(6) 動物実験計画 動物実験等の実施に関する計画をいう。
(7) 動物実験実施者 動物実験等を実施する者をいう。
(8) 動物実験責任者 動物実験実施者のうち、動物実験等の実施に関する業務を統括する者をいう。
(9) 管理者 学長の命を受け、実験動物及び施設等を管理する部局の長をいう。
(10) 実験動物管理者 管理者を補佐し、実験動物に関する知識及び経験を有する実験動物の管理を担当する者をいう。
(11) 飼養者 実験動物管理者又は動物実験実施者の下で実験動物の飼養又は保管に従事する者をいう。
(12) 管理者等 学長、管理者、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者をいう。
(13) 指針等 法、飼養保管基準、基本指針、厚生労働省及び農林水産省から示されている動物実験等の実施に関する基本指針、日本学術会議が作成した動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成18年6月)その他の関係法令等をいう。
第2章 適用範囲
第3条 この規則は、本学において実施される哺乳類、鳥類又は爬虫類の生体を用いる全ての動物実験等に適用する。
2 動物実験責任者は、動物実験等の実施を本学以外の機関に委託等する場合、委託先等においても、指針等に基づき、適正に動物実験等が実施されることを確認しなければならない。
3 本学の教職員・学生等が他の研究機関等において行う動物実験等については、当該他の研究機関等の内部規程を遵守して実施するものとする。
この場合において、当該動物実験等に係る動物実験計画については、第11条の規定により承認を得なければならない。
第3章 学長の責務
第4条 学長は、最終的な責任者として本学における動物実験等の適正な実施並びに実験動物の適正な飼養及び保管を統括する。
2 学長は、次に掲げる責務を有する。
(1) 動物実験計画の承認、実施状況及び実施結果の把握並びに実施結果に基づく改善措置を行うこと。
(2) 動物実験施設の整備並びに動物実験施設及び実験室の承認を行うこと。
(3) 動物実験等に係る安全管理を行うこと。
(4) 教育訓練を行うこと。
(5) 自己点検・評価及び外部の専門家等による検証を行うこと。
(6) 情報公開を行うこと。
(7) その他動物実験等の適正な実施に必要な措置を行うこと。
第4章 動物実験委員会
(動物実験委員会の設置)
第5条 学長は、前条第2項の責務を遂行するために学長への報告又は助言を行う組織として、熊本大学動物実験委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(委員会の任務)
第5条の2 委員会は、学長の諮問を受け、次に掲げる事項について審査又は調査し、学長に報告又は助言する。
(1) 動物実験計画が指針等及びこの規則に適合していること。
(2) 動物実験計画の実施状況及び結果に関すること。
(3) 施設等及び実験動物の飼養保管状況に関すること。
(4) 動物実験等及び実験動物の適正な取扱い並びに関係法令等に関する教育訓練の内容又は体制に関すること。
(5) 自己点検・評価、外部の専門家等による検証及び情報公開に関すること。
(6) その他動物実験等の適正な実施のために必要な事項
2 委員会は、必要に応じて、安全管理に注意を要する動物実験に関連する委員会等と相互に必要な情報の提供等を行うよう努めるものとする。
3 学長は、委員会に相当する組織を持たない他の研究機関等から動物実験計画の審査等の依頼を受けたときは、委員会に諮問する。
(委員会の組織)
第6条 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 生命資源研究・支援センター長
(2) 動物実験等に関して優れた識見を有する者 2人以上
(3) 実験動物に関して優れた識見を有する者 2人以上
(4) 前2号以外の分野に関して優れた識見を有する者 2人以上
(5) 研究・社会連携部長
(6) その他委員長が必要と認めた者 若干人
2 前項第2号から第4号まで及び第6号の委員は、学長が委嘱する。
3 第1項第2号から第4号まで及び第6号の委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。
4 第1項第2号から第4号まで及び第6号の委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前項の規定にかかわらず、前任者の残任期間とする。
(委員長等)
第7条 委員会に、委員長を置き、委員の互選により選出する。
2 委員会に、副委員長を置き、委員のうちから委員長が指名する者をもって充てる。
3 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。
4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代行する。
(議事)
第8条 委員会は、委員の過半数が出席しなければ、議事を開き、議決することができない。
2 委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
3 委員は、自らが動物実験責任者として提出した動物実験計画に係る審査に加わることができない。
(秘密の保持)
第9条 委員は、職務上動物実験計画に関し知り得た情報を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。ただし、法令上別の定めがある場合は、この限りでない。
(担当事務)
第10条 委員会の事務は、研究・社会連携部研究推進課及び生命科学系事務部生命科学先端研究事務課において処理する。
第5章 動物実験等の実施
(動物実験計画の立案、審査及び手続)
第11条 動物実験責任者は、動物実験等により取得されるデータの信頼性を確保する観点から、次に掲げる事項を踏まえて、動物実験計画を立案し、所定の動物実験計画書により学長に申請しなければならない。
(1) 研究の目的、意義及び必要性
(2) 代替法を考慮して、実験動物を適切に利用すること。
(3) 実験動物の使用数削減のため、動物実験等の目的に適した実験動物種の選定、動物実験成績の精度と再現性を左右する実験動物の数、遺伝学的及び微生物学的品質並びに飼養条件を考慮すること。
(4) 実験動物の苦痛の軽減を考慮して、動物実験等を適切に行うこと。
(5) 苦痛度の高い動物実験等、例えば、致死的な毒性試験、感染実験、放射線照射実験等を行う場合は、動物実験等を計画する段階で人道的エンドポイント(実験動物を激しい苦痛から解放するための実験を打ち切るタイミング)の設定を検討すること。
2 学長は、動物実験等の開始前に前項の申請をさせ、委員会の審査を経て承認又は非承認を決定し、その結果を当該動物実験責任者に通知しなければならない。
3 動物実験責任者は、動物実験計画について学長の承認を得た後でなければ、実験を行うことができない。
4 動物実験計画を変更しようとする場合は、前3項の例による。
(実験操作)
第12条 動物実験実施者は、動物実験等の実施に当たって、指針等に則するとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 適切に維持管理された施設等において動物実験等を行うこと。
(2) 動物実験計画書に記載された事項及び次に掲げる事項を遵守すること。
イ 適切な麻酔薬、鎮痛薬等の利用
ロ 実験の終了の時期(人道的エンドポイントを含む。)の配慮
ハ 適切な術後管理
ニ 適切な安楽死の選択
(3) 安全管理に注意を払うべき実験(物理的、化学的に危険な材料、病原体、遺伝子組換え動物等を用いる実験)については、関係法令等及び本学における関連する規則等に従うこと。
(4) 物理的、化学的に危険な材料又は病原体等を扱う動物実験等について、安全のための適切な施設や設備を確保すること。
(5) 実験実施に先立ち、必要な実験手技等の習得に努めること。
(6) 侵襲性の高い大規模な存命手術に当たっては、経験等を有する者の指導の下で行うこと。
2 学長は、動物実験計画が完了し、又は動物実験計画を中止するまでの間は、動物実験責任者に所定の動物実験報告書により、毎年度末に、動物実験計画の実施状況を報告させなければならない。
3 学長は、動物実験計画が完了したとき又は動物実験計画を中止したときは、動物実験責任者に所定の動物実験報告書により、使用動物数、動物実験計画の変更の有無、成果等を報告させなければならない。
4 学長は、前2項の報告により必要と判断する場合は、委員会の助言を受けて、適正な動物実験等の実施のための改善措置を講じなければならない。
第6章 施設等
(動物実験施設の設置)
第13条 動物実験施設を設置(変更を含む。)する場合は、管理者が所定の動物実験施設設置承認申請書を提出し、学長の承認を得るものとする。
2 学長は、申請された動物実験施設を委員会に調査させ、その助言により、承認又は不承認を決定し、その結果を当該管理者に通知するものとする。
3 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、学長の承認を得た動物実験施設でなければ、実験動物の飼養若しくは保管又は動物実験等を行うことができない。
4 学長は、管理者及び実験動物管理者に実験動物の飼養及び保管の状況を報告させ、必要と判断する場合は、委員会の助言を受けて適正な実験動物の飼養及び保管のための改善を指示しなければならない。
(動物実験施設の要件)
第14条 動物実験施設は、次の要件を満たさなければならない。
(1) 適切な温度、湿度、換気、明るさ等を保つことができる構造等であること。
(2) 実験動物の種類、生理、生態及び習性並びに飼養又は保管する数に応じた飼育設備を有すること。
(3) 床や内壁などが清掃、消毒等が容易な構造で、器材の洗浄、消毒等を行う衛生設備を有すること。
(4) 実験動物が逸走しない構造及び強度を有すること。
(5) 臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置がとられていること。
(6) 実験動物管理者が置かれていること。
(実験室の設置)
第15条 動物実験施設以外において、実験室を設置(変更を含む。)する場合は、管理者が所定の実験室設置承認申請書を提出し、学長の承認を得るものとする。
2 学長は、申請された実験室を委員会に調査させ、その助言により、承認又は不承認を決定し、その結果を当該管理者に通知するものとする。
3 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、学長の承認を得た実験室でなければ、動物実験等(48時間以内の一時的保管を含む。)を行うことができない。
(実験室の要件)
第16条 実験室は、次に掲げる要件を満たさなければならない。
(1) 実験動物が逸走しない構造及び強度を有し、実験動物が室内で逸走しても捕獲しやすい環境が維持されていること。
(2) 排泄物、血液等による汚染に対して清掃及び消毒が容易な構造であること。
(3) 常に清潔な状態を保ち、臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置がとられていること。
(施設等の維持管理及び改善)
第17条 管理者は、実験動物の適正な管理並びに動物実験等の遂行に必要な施設等の維持管理及び改善に努めなければならない。
2 管理者は、実験動物の種類、生理、生態、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境を確保しなければならない。
(施設等の廃止)
第18条 学長は、管理者より提出された所定の施設等廃止届に基づき、委員会による施設等の調査を経て廃止を承認するものとする。
2 前項の場合において、管理者は、必要に応じて、動物実験責任者と協力し、飼養又は保管中の実験動物を他の動物実験施設に譲り渡すよう努めなければならない。
第7章 実験動物の飼養及び保管
(標準操作手順の作成と周知)
第19条 管理者及び実験動物管理者は、飼養保管の標準操作手順を定め、動物実験実施者及び飼養者に周知し遵守させなければならない。
(実験動物の健康及び安全の保持)
第20条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の保持に努めなければならない。
(動物実験施設への実験動物の導入)
第21条 管理者は、動物実験施設に実験動物を導入するときは、指針等に基づき適正に管理されている機関から導入しなければならない。
2 実験動物管理者は、動物実験施設への実験動物の導入に当たっては、適切な検疫、隔離飼育等を行わなければならない。
3 実験動物管理者は、動物実験施設に実験動物を導入するときは、実験動物の飼養環境への順化・順応を図るための必要な措置を講じなければならない。
(実験室への実験動物の導入)
第22条 動物実験責任者は、実験室に実験動物を導入するときは、指針等に基づき適正に管理されている機関又は施設等から導入しなければならない。
2 動物実験責任者は、他の機関から実験室に実験動物を導入するに当たっては、適切な検疫、隔離飼育等を行わなければならない。
(給餌・給水)
第23条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、実験動物の種類、生理、生態、習性等に応じて、適切に給餌・給水を行わなければならない。
2 実験動物管理者は、動物実験施設の日常的な管理及び保守点検、定期的な巡回等により、飼養又は保管する実験動物の数及び状態の確認を行わなければならない。
(健康管理)
第24条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、実験目的以外の傷害又は疾病を予防するため、実験動物に必要な健康管理を行わなければならない。
2 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、実験目的以外の傷害又は疾病にかかった場合、実験動物に適切な治療等を行わなければならない。
(異種又は複数動物の飼育)
第25条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、異種又は複数の実験動物を同一施設内で飼養、保管する場合、その組合せを考慮して収容しなければならない。
(記録の保存及び報告)
第26条 管理者等は、実験動物の入手先、飼育履歴、病歴等に関する記録を整備し、これを5年間保存しなければならない。
2 管理者は、毎年度、飼養又は保管した実験動物の種類、数等について学長に報告しなければならない。
(譲渡等の際の情報提供)
第27条 管理者等は、実験動物を譲渡するときは、譲渡を受ける者に対して、当該実験動物の特性、飼養保管の方法、感染性疾病等に関する情報を提供しなければならない。
(輸送)
第28条 管理者等は、実験動物の輸送に当たっては、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の確保並びに人への危害防止に努めなければならない。
第8章 安全管理
(危害防止)
第29条 管理者は、逸走した実験動物の捕獲の方法等をあらかじめ定めなければならない。
2 管理者は、人に危害を加える等のおそれのある実験動物が施設等外に逸走した場合には、速やかに関係機関に連絡しなければならない。
3 管理者は、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者について、実験動物由来の感染症、アレルギー疾患等の罹患及び実験動物による咬傷等を予防する措置を講じるとともに、これらの事故が発生した時に必要となる措置を講じるための体制を整備しなければならない。
4 管理者は、毒へび等の有毒動物の飼養又は保管をする場合は、人への危害の発生の防止のため、飼養保管基準に基づき必要な事項を別途定めなければならない。
5 管理者等は、人に危害を加える等のおそれがある実験動物について、名札、脚環、マイクロチップ等の装着その他の固体識別措置を技術的に可能な範囲で講じるように努めなければならない。
6 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、相互に実験動物による危害の発生の防止に必要な情報の提供等を行うよう努めなければならない。
7 管理者等は、実験動物の飼養及び保管並びに動物実験等の実施に関係のない者が実験動物等に接触しないよう、必要な措置を講じなければならない。
(緊急時の対応)
第30条 管理者は、地震、火災、人と動物の共通感染症の発生等の緊急時にとるべき措置の計画をあらかじめ作成し、関係者に対して周知を図らなければならない。
2 管理者等は、緊急事態が発生したときは、実験動物の保護並びに実験動物の逸走による人への危害及び環境保全上の問題等の発生の防止に努めなければならない。
(人と動物の共通感染症の対応)
第31条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、人と動物の共通感染症に関する十分な知識の習得及び情報の収集に努めなければならない。
2 管理者、実験動物管理者及び動物実験実施者は、人と動物の共通感染症の発生時において必要な措置を迅速に講じることができるよう、公衆衛生機関等との連絡体制の整備に努めなければならない。
第9章 教育訓練
第32条 学長は、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者に、次に掲げる事項に関する所定の教育訓練を受講させなければならない。
(1) 指針等及び動物実験等に関する本学の規則等
(2) 動物実験等の方法に関する基本的事項
(3) 実験動物の飼養又は保管に関する基本的事項
(4) 安全確保及び安全管理に関する事項
(5) 人と動物の共通感染症に関する事項
(6) その他適切な動物実験等の実施に関する事項
2 学長は、教育訓練の実施日、教育内容、講師及び受講者名を記録し、これを5年間保存しなければならない。
3 学長は、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者の別に応じて必要な教育訓練が確保されるよう努めなければならない。
第10章 自己点検・評価・検証
第33条 学長は、委員会に対して、基本指針への適合性及び飼養保管基準の遵守状況に関し、毎年度、自己点検・評価を行わせなければならない。
2 委員会は、動物実験等の実施状況等や飼養保管状況に関する自己点検・評価を行い、その結果を学長に報告しなければならない。
3 委員会は、管理者、動物実験実施者、動物実験責任者、実験動物管理者、飼養者等に、自己点検・評価のための資料を提出させることができる。
4 学長は、自己点検・評価の結果について、外部の専門家等による検証を定期的に受けるものとする。
第11章 情報公開
第34条 学長は、本学における動物実験等に関する情報(この規則、実験動物の飼養又は保管の状況、自己点検・評価、外部の専門家等による検証の結果、委員会の構成等に関する情報をいう。)を毎年1回程度公表するものとする。
第12章 雑則
(準用)
第35条 実験動物以外の動物を使用する動物実験等については、飼養保管基準の趣旨に沿って行うよう努めるものとする。
(適用除外)
第36条 畜産に関する飼養管理の教育若しくは試験研究又は畜産に関する育種改良を目的として行う実験動物(一般に、産業用家畜とみなされる動物種に限る。)の飼養又は保管、及び生態の観察を行うことを目的として行う実験動物の飼養又は保管については、血液の採取、人工繁殖その他の外科的な措置(家畜改良増殖法(昭和25年法律第209号)に基づく措置を除く。)、薬理学的な実験等を行う場合を除き、この規則を適用しない。
(動物実験の中止及び禁止)
第37条 学長は、この規則に違反した者の動物実験を直ちに中止させ、動物実験の実施を一定期間禁ずることができる。
2 学長は、前項の措置について、委員会の助言を求めることができる。
(雑則)
第38条 この規則に定めるもののほか、動物実験等又は実験動物に関し必要な事項は、学長が別に定める。
附 則
1 この規則は、平成19年1月25日から施行する。
2 この規則施行後、最初に委嘱される第6条第1項第4号から第11号まで及び第13号の委員の任期は、同条第3項の規定にかかわらず、平成21年3月31日までとする。
3 この規則施行後、第6条の規定により委員会委員が委嘱されるまでの間は、同条の規定にかかわらず、この規則施行の際現に熊本大学黒髪地区動物実験委員会委員及び熊本大学本荘・大江地区動物実験委員会委員である者をもって組織する暫定委員会が委員会の任務を代行する。
4 前項の場合において、暫定委員会の委員長は、本荘・大江地区動物実験委員会の委員長をもって充てる。
5 この規則施行の日の前日までに次項の規定による廃止前の熊本大学動物実験指針第9項の規定により届け出られた動物実験計画に係る動物実験については、平成18年度中に限り、なお従前の例による。
6 次に掲げる規則及び指針は、廃止する。
(1) 国立大学法人熊本大学黒髪地区動物実験委員会規則(平成16年4月1日制定)
(2) 国立大学法人熊本大学本荘・大江地区動物実験委員会規則(平成16年4月1日制定)
(3) 熊本大学動物実験指針(平成16年4月1日制定)
附 則(平成19年3月30日規則第163号)
この規則は、平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成21年3月26日規則第98号)
この規則は、平成21年4月1日から施行する。
附 則(平成21年12月24日規則第283号)
この規則は、平成22年1月1日から施行する。
附 則(平成22年9月30日規則第183号)
この規則は、平成22年10月1日から施行する。
附 則(平成23年3月24日規則第10号)
この規則は、平成23年4月1日から施行する。
附 則(平成25年1月9日規則第1号)
この規則は、平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成28年3月31日規則第184号)
この規則は、平成28年4月1日から施行する。
附 則(平成30年3月22日規則第126号)
この規則は、平成30年4月1日から施行する。
附 則(平成31年3月28日規則第205号)
この規則は、平成31年4月1日から施行する。
附 則(令和2年3月31日規則第142号)
この規則は、令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和4年3月30日規則第74号)
この規則は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和6年2月22日規則第23号)
この規則は、令和6年4月1日から施行する。