○国立大学法人熊本大学臨床研究審査委員会規則
(令和6年5月9日規則第219号) |
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(設置)
第1条 国立大学法人熊本大学(以下「本学」という。)に、臨床研究法(平成29年法律第16号。以下「法」という。)第23条に規定する臨床研究審査委員会として、国立大学法人熊本大学臨床研究審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(定義)
第2条 この規則における用語の定義は、法及び臨床研究法施行規則(平成30年厚生労働省令第17号。以下「省令」という。)の定めるところによる。
(組織)
第3条 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。ただし、各号に掲げる委員は、当該号以外の号に掲げる委員を兼ねることができない。
(1) 医学又は医療の専門家 若干人
(2) 臨床研究の対象者の保護及び医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者 若干人
(3) 前2号に掲げる者以外の一般の立場の者 若干人
2 委員会の構成は、次に掲げる要件を満たすものとする。
(1) 委員が5人以上であること。
(2) 男性及び女性がそれぞれ1人以上含まれていること。
(3) 同一の医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)に所属している者が、委員の総数の半数未満であること。
(4) 本学に属しない者が2人以上含まれていること。
(5) 次のイからニまでのいずれかに該当する者がいないこと。
イ 反社会的行為に関与したことがある者
ロ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員又は同条第2号に規定する暴力団と密接な関係を有している者
ハ 法若しくは法第24条第2号に規定する国民の保健医療に関する法律で政令で定めるもの又は刑法若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正15年法律第60号)の規定により罰金の刑に処せられたことがある者
ニ 禁固以上の刑に処せられたことがある者
3 第1項の委員は、学長が委嘱する。
4 第1項の委員の任期は1年とし、再任を妨げない。
5 第1項の委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前項の規定にかかわらず、前任者の残任期間とする。
(審査意見業務)
第4条 委員会は、次に掲げる業務を行う。
(1) 特定臨床研究を実施する者から提出された実施計画について、臨床研究実施基準に照らして審査を行い、当該特定臨床研究実施者に対し、特定臨床研究の実施の適否及び実施に当たって留意すべき事項について意見を述べる業務
(2) 特定臨床研究実施者から提出された実施計画の変更(主要評価項目報告書を作成しようとする場合を含む。)について、臨床研究実施基準に照らして審査を行い、当該特定臨床研究実施者に対し、特定臨床研究の実施の適否及び実施に当たって留意すべき事項について意見を述べる業務
(3) 特定臨床研究実施者から特定臨床研究に係る適報告を受けた場合において、当該特定臨床研究の継続の適否について意見を述べ、必要に応じ、当該特定臨床研究実施者に対して当該報告に係る疾病等の原因の究明又は再発防止のために講ずべき措置について意見を述べる業務
(4) 特定臨床研究実施者から特定臨床研究に係る定期報告を受けた場合において、当該特定臨床研究の継続の適否について意見を述べ、必要に応じ、当該特定臨床研究実施者に対して当該報告に係る特定臨床研究の実施に当たって留意すべき事項又は改善すべき事項について意見を述べる業務
(5) 特定臨床研究実施者から提出された利益相反管理基準及び利益相反管理計画について、特定臨床研究実施者に対して意見を述べる業務
(6) 特定臨床研究実施者から提出された総括報告書及びその概要について、当該特定臨床研究実施者に対して意見を述べる業務
(7) 特定臨床研究実施者から特定臨床研究の中止について通知を受けた場合において、必要に応じ、当該特定臨床研究実施者に対して意見を述べる業務
(8) 特定臨床研究実施者から重大な不適合(臨床研究の対象者の人権及び安全並びに臨床研究の進捗や結果の信頼性に影響を及ぼすものをいう。)について意見を求められた場合において、当該特定臨床研究実施者に対して意見を述べる業務
(9) 前各号に掲げるもののほか、特定臨床研究に係る審査意見業務の適切な実施のために必要な業務
2 委員会は、前項第1号に掲げる業務を行うときは、技術専門員からの評価書を確認しなければならない。
3 委員会は、第1項第2号から第9号までに掲げる業務を行うときは、必要に応じて、技術専門員から意見を聴くものとする。
4 技術専門員は、次の各号に掲げる専門家のうちから選出する。
(1) 審査意見業務の対象となる疾患領域の専門家
(2) 毒性学、薬力学、動物動態学等の専門的知識を有する臨床薬理学の専門家
(3) 生物統計の専門家
(4) 前各号に掲げる者のほか、臨床研究の特色に応じた専門家
(委員長及びその責務)
第5条 委員会に委員長を置き、第3条第1項第1号の委員のうちから、病院長が指名する者をもって充てる。
2 委員長は委員会を招集し、その議長となる。
3 委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代行する。
(委員会の開催)
第6条 委員会は、原則として年に12回以上定期的に開催するものとする。ただし、委員長が必要と認めたときは、臨時に開催することができる。
2 委員会は、次に掲げる要件を満たさなければ、審査意見業務を行うことができない。
(1) 第3条第1項各号の委員がそれぞれ1人以上出席していること。
[第3条第1項各号]
(2) 委員が5人以上出席していること。
(3) 男性及び女性の委員がそれぞれ1人以上出席していること。
(4) 同一の医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)に所属している委員が出席委員の半数未満であること。
(5) 本学に属しない者が2人以上出席していること。
(委員会の結論)
第7条 委員会は、審査意見業務に係る結論を得るに当たっては、出席委員全員から意見を聴いた上で、原則として、出席委員の全員一致をもって行うよう努めなければならない。ただし、委員会において議論を尽くしても、出席委員全員の意見が一致しないときは、出席委員の過半数の同意を得た意見を委員会の結論とするものとする。
2 委員会の結論は、「承認」、「不承認」又は「継続審査」のいずれかとする。
3 委員会の結論は、文書にて研究責任医師に通知するものとする。
(審査意見業務への参加の制限)
第8条 次に掲げる委員又は技術専門員は、審査意見業務に参加することができない。ただし、第2号又は第3号に掲げる委員又は技術専門員について、委員会が必要があると認めた場合にあっては、委員会において意見を述べるよう求めることができる。
(1) 審査意見業務の対象となる実施計画に係る特定臨床研究の研究責任医師又は研究分担医師
(2) 審査意見業務の対象となる実施計画に係る特定臨床研究の研究責任医師と同一の医療機関の診療科に属する者又は過去1年以内に多施設で実施される共同研究(特定臨床研究に該当するもの及び医師主導治験に限る。)を実施していた者
(3) 審査意見業務を依頼した研究責任医師が属する医療機関の管理者
(4) 前3号に掲げる者のほか、審査意見業務を依頼した研究責任医師又は審査意見業務の対象となる特定臨床研究に関与する医薬品等製造販売業者等と密接な関係を有している者であって、当該審査意見業務に参加することが適切でない者
(地方厚生局長への通知)
第9条 委員会は第4条第1項第3号から第9号までに掲げる業務において特記すべき意見を述べたときは、遅滞なく、地方厚生局長にその内容を報告するものとする。
(事前確認不要事項の取扱い及び簡便審査)
第10条 委員会が行う第4条第1項の業務のうち、次の各号に掲げる事項に係るものについては、委員会の事務局(以下単に「事務局」という。)が当該各号に掲げる事項に該当することを確認の上、省令様式第2による届出を受理し、収受印を押印したうえで、その写しを交付することをもって委員会の承認があったものとみなすことができる。
[第4条第1項]
(1) 研究に関する問い合わせ先の担当者及び連絡先の変更(担当者の所属機関の変更を伴わないもの に限る。)
(2) 実施医療機関の管理者及びその許可の有無の変更
(3) データマネジメント担当機関、モニタリング担当機関、監査担当機関、研究・開発計画支援担当機関及び調整・管理実務担当機関の担当責任者又は担当者並びにそれらの所属及び役職の変更
(4) 統計解析担当責任者の所属及び役職の変更
(5) 第一症例登録日の追加
(6) 進捗状況の変更
(7) 契約締結日の追加
(8) e-Rad番号の変更
(9) 委員会で承認を得る条件が明示的かつ具体的に指示された上で継続審査となった場合であって、当該指示の内容と異ならないことが明らかである変更
(10) 研究内容の変更を伴わないことが明らかである誤記の修正又は記載整備
2 委員会は、前項各号に該当するもののほか、審査意見業務の対象となるものが特定臨床研究の実施に重要な影響を与えないものである場合は、委員長のみの確認をもって行う簡便な審査により、結論を得ることができる。
(緊急審査)
第11条 委員会は、審査意見業務を行う場合であって、臨床研究の対象者の保護の観点から緊急に当該臨床研究の中止その他の措置を講ずる必要がある場合には、第4条第3項、第6条第2項及び第7条の規定にかかわらず、委員長及び委員長が指名する委員による審査意見業務を行い、結論を得ることができる。この場合において、委員会は、後日、改めて委員会の結論を得るものとする。
(契約)
第12条 病院長は、審査意見業務(本学で実施する特定臨床研究の審査意見業務を除く。)の依頼を受諾した場合には、特定臨床研究実施医療機関の管理者と契約を締結するものとする。
(審査手数料)
第13条 審査意見業務を依頼した特定臨床研究実施医療機関の管理者は、国立大学法人熊本大学諸料金規則(平成16年4月1日制定)に定める審査意見業務に係る手数料(以下「審査手数料」という。)を納入しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、病院長が特に認めた場合には、学内外を問わず、審査手数料の全部又は一部を免除することができる。
(徴収方法)
第14条 審査手数料は、契約締結後、本学が指定する口座への振込みにより、所定の期日までに支払わなければならない。
2 既納の審査手数料は、原則として返還しない。
(事務局)
第15条 学長は、委員会の運営に関する事務を行う者を4人以上選任し、委員会に事務局を置く。
2 前項の規定により選任した者のうち2人以上は、臨床研究の安全性及び科学的妥当性を審査する委員会の事務に関する実務経験を1年以上有する専従の者とする。
(帳簿の備付け等)
第16条 事務局は、審査意見業務に関する事項を記録するための帳簿を備え、最終の記載日から5年間保存しなければならない。
2 前項の帳簿には、審査意見業務の対象となった研究ごとに、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 審査意見業務の対象となった特定臨床研究の研究責任医師等の氏名及び実施医療機関の名称
(2) 審査意見業務を行った年月日
(3) 審査意見業務の対象となった特定臨床研究の名称
(4) 疾病等若しくは不具合の報告又は定期報告を受けた場合には、その報告の内容
(5) 述べた意見の内容(法第23条第1項第4号の意見を述べた場合には、その必要があると判断された理由を含む。)
(6) 法第23条第1項第1号の審査意見業務を行った場合には、研究責任医師等が当該審査意見業務の対象となった実施計画を地方厚生局に提出した年月日
(記録等の保存)
第17条 事務局は、次の各号に掲げる事項を含む委員会における審査意見業務の過程に関する記録を作成しなければならない。
(1) 開催日時
(2) 開催場所
(3) 議題
(4) 実施計画を提出した研究責任医師等の氏名及び実施医療機関の名称
(5) 審査意見業務の対象となった実施計画を受け取った年月日
(6) 審査意見業務に出席した者の氏名及び評価書を提出した技術専門員の氏名
(7) 議題ごとの委員会の委員又は技術専門員の審査意見業務への関与に関する状況(審査意見業務に 参加できない者が委員会の求めに応じて意見を述べた場合は、その事実及び理由を含む。)
(8) 結論及びその理由(出席委員の過半数の同意を得た意見を委員会の結論とした場合には、賛成・ 反対・棄権の数)を含む議論の内容
2 事務局は、次の各号に掲げる書類等を当該実施計画に係る特定臨床研究が終了した日から5年間、臨床研究ごとに整理し保存しなければならない。
(1) 審査意見業務に係る実施計画その他の審査意見業務を行うために研究責任医師から提出された書類
(2) 前項の記録(技術専門員からの評価書を含む。)
(3) 委員会の結論を審査意見業務に係る実施計画を提出した研究責任医師に通知した文書の写し
3 学長は、委員会の認定に係る申請書及び添付書類、この規則並びに委員名簿を、委員会の廃止後5年間保存するものとする。
(公表)
第18条 事務局は、審査手数料、開催日程、受付状況、この規則、委員名簿その他委員会の認定に関する事項及び審査意見業務の過程に関する記録に関する事項について、公表するものとする。
(秘密保持義務)
第19条 委員会の委員若しくは審査意見業務に従事する者又はこれらの者であった者は、正当な理由なく、審査意見業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(活動の自由及び独立性の保障)
第20条 病院長は、委員会の審査が適正かつ公正に行えるよう、委員会の活動の自由及び独立を保障するものとする。
(教育研修)
第21条 委員会の委員、技術専門員及び運営に関する事務を行う者は、年1回以上、教育又は研修を受けなければならない。
2 事務局は、前項の教育又は研修の受講歴を管理するものとする。
(苦情等相談窓口)
第22条 学長は、委員会に苦情及び問合せに対応するための苦情等相談窓口を置く。
2 委員会は、苦情及び問合せを受けた場合は、学長に報告するとともに、必要な対応を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講じなければならない。
(変更の認定)
第23条 学長は、委員会に関する事項について、法第23条第1項の認定後に変更が生じたときは、当該変更について地方厚生局長の認定を受け、又は地方厚生局長に届け出るものとする。
(認定の更新)
第24条 学長は、有効期間の満了後引き続き認定委員会を設置する場合は、有効期間の更新を受けるものとする。
(委員会の廃止)
第25条 学長は、委員会を廃止するときは、あらかじめ、委員会に実施計画を提出した研究責任医師にその旨を通知するとともに、地方厚生局長に届け出るものとする。
2 学長は、委員会を廃止したときは、速やかに、その旨を委員会に実施計画を提出していた研究責任医師に通知するものとする。
3 前項の場合において、学長は、委員会に実施計画を提出していた研究責任医師に対し、当該実施計画に基づく特定臨床研究の実施に影響を及ぼさないよう、他の認定臨床研究審査委員会を紹介し、当該他の認定臨床研究審査委員会に対して必要な書類を提供するなど適切な措置を講ずるものとする。
(非特定臨床研究)
第26条 委員会は、特定臨床研究以外の臨床研究の実施に関する計画に係る意見を求められ、これに応じる場合には、特定臨床研究の場合に準じて審査意見業務を行うこととし、この規則の規定を準用する。
(雑則)
第27条 この規則に定めるもののほか、委員会の業務に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
1 この規則は、令和6年5月9日から施行する。
2 この規則施行後、最初に任命される委員の任期は、第3条第4項の規定にかかわらず、令和8年3月31日までとする。