○熊本大学における人を対象とする生命科学・医学系研究に関する規則
(平成27年11月26日規則第287号) |
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(趣旨)
第1条 熊本大学(以下「本学」という。)において実施する人を対象とする生命科学・医学系研究(以下「研究」という。)に関する取扱いは、関係法令、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号。以下「指針」という。)その他別に定めのあるもののほか、この規則の定めるところによる。
(定義)
第2条 この規則において「部局等」とは、別表左欄に掲げる生命科学・医学系研究を実施する部局等をいう。
[別表]
2 この規則において「部局等の責任者」とは、別表右欄に掲げる責任者をいう。
[別表]
3 前2項に規定するもののほか、この規則における用語の意義は、指針第2に定めるところによる。
(学長の責務及び権限等の委任)
第3条 学長は、実施を許可した研究が適正に実施されるよう、必要な監督を行うことについての責任を負う。
2 学長は、指針第5の2(7)に定めるところにより、研究の実施に関する研究機関の長の権限及び事務について、次に掲げる事項を除き、部局等の責任者に委任するものとする。ただし、学長自らがその権限及び事務を行うことを妨げない。
(1) 指針第5の1(1)に規定する事項
(2) 指針第11の3に規定する事項
(3) 指針第20に規定する事項
(部局等の責任者の責務)
第4条 部局等の責任者は、この規則に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
(1) 指針及び研究計画書に従い、適正に実施されていることを必要に応じて確認するとともに、研究の適正な実施を確保するために必要な措置をとること。
(2) 研究の実施に携わる関係者に、研究対象者の生命、健康及び人権を尊重して研究を実施することを周知徹底すること。
(3) その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らさないこと。その業務に従事しなくなった後も、同様とする。
(4) 当該部局等で実施する研究に関連して研究対象者に健康被害が生じた場合、これに対する補償その他の必要な措置が適切に講じられることを確保すること。
(5) 研究対象者等及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のために必要な措置を講じた上で、研究結果等、研究に関する情報が適切に公表されることを確保すること。
(6) 当該部局等における研究が指針及びこの規則(以下「指針等」という。)に適合していることについて、必要に応じ、自ら点検及び評価を行い、その結果に基づき適切な対応をとること。
(7) 倫理委員会が行う調査に協力すること。
(8) 研究に関する倫理並びに研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修を当該部局等の研究者等が受けることを確保するための措置を講じ、かつ、自らもこれらの教育・研修を受けること。
(研究者等の責務)
第5条 研究者等は、この規則に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
(1) 研究対象者の生命、健康及び人権を尊重して、研究を実施すること。
(2) 関係法令、指針等を遵守し、当該研究の実施について第7条に規定する倫理委員会の審査及び部局等の責任者の許可を受けた研究計画書に従って、適正に研究を実施すること。
[第7条]
(3) 研究を実施するに当たっては、原則としてあらかじめインフォームド・コンセントを受けること。
(4) 研究対象者等及びその関係者からの相談、問合せ、苦情等に適切かつ迅速に対応すること。
(5) 研究の実施に携わる上で知り得た情報を正当な理由なく漏らさないこと。研究の実施に携わらなくなった後も同様とする。
(6) 地域住民等一定の特徴を有する集団を対象に、当該地域住民等の固有の特質を明らかにする可能性がある研究を実施する場合には、研究対象者等及び当該地域住民等を対象に、研究の内容及び意義について説明し、研究に対する理解を得るよう努めること。
(7) 研究の実施に先立ち、研究に関する倫理並びに当該研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修を受けること。研究期間中も適宜継続して、教育・研修を受けること。
(研究計画書の作成等)
第6条 研究責任者は、研究を実施しようとするときは、あらかじめ研究計画書を作成しなければならない。
2 研究責任者は、研究計画書の内容と異なる研究を実施しようとするときは、あらかじめ研究計画書を変更しなければならない。
3 研究責任者は、研究計画書の作成又は変更に当たっては、研究の倫理的妥当性及び科学的合理性が確保されるよう考慮し、かつ、研究対象者への負担並びに予測されるリスク及び利益を総合的に評価するとともに、負担及びリスクを最小化する対策を講じなければならない。
4 多機関共同研究を実施する研究責任者は、当該多機関共同研究として実施する研究に係る業務を代表するため、当該研究責任者の中から、研究代表者を選任しなければならない。
5 研究代表者は、多機関共同研究を実施しようとする場合には、各共同研究機関の研究責任者の役割及び責任を明確にした上で一の研究計画書を作成又は変更しなければならない。
6 研究責任者は、研究に関する業務の一部について委託しようとする場合には、当該委託業務の内容を定めた上で研究計画書を作成又は変更しなければならない。
7 研究責任者は、研究に関する業務の一部を委託する場合には、委託を受けた者が遵守すべき事項について、文書又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)により契約を締結するとともに、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
8 研究責任者は、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって通常の診療を超える医療行為を伴うものを実施しようとする場合には、当該研究に関連して研究対象者に生じた健康被害に対する補償を行うために、あらかじめ、保険への加入その他の必要な措置を適切に講じなければならない。
(倫理委員会)
第7条 部局等の責任者は、研究実施の適否等について審査するため、その諮問機関として倫理委員会を設置する。
2 倫理委員会の組織、運用等について必要な事項は、別に定める。
(倫理委員会への付議)
第8条 研究責任者は、研究を実施する場合は事前に人を対象とする生命科学・医学系研究倫理審査申請書(別記様式第1)を倫理委員会に提出し、その意見を聴かなければならない。
2 研究代表者は、原則として、多機関共同研究に係る研究計画書について、一の倫理審査委員会による一括した審査を求めなければならない。
3 研究責任者は、倫理委員会に意見を聴いた後に、その結果及び当該倫理委員会に提出した書類、その他部局等の責任者が求める書類を部局等の責任者に提出し、当該研究の実施について、許可を受けなければならない。
4 前3項の規定にかかわらず、公衆衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため緊急に研究を実施する必要があると判断する場合には、当該研究の実施について倫理委員会の意見を聴く前に部局等の責任者の許可のみをもって研究を実施することができる。この場合において、研究責任者は、許可後遅滞なく倫理委員会の意見を聴くものとし、倫理委員会が研究の停止若しくは中止又は研究計画書の変更をすべきである旨の意見を述べたときは、当該意見を尊重し、研究を停止し、若しくは中止し、又は研究計画書を変更するなど適切な対応をとらなければならない。
5 研究責任者は、多機関共同研究について第2項の規定によらず個別の倫理委員会の意見を聴く場合には、共同研究機関における研究の実施の許可、他の倫理委員会における審査結果及び当該研究の進捗に関する状況等の審査に必要な情報についても当該倫理委員会に提供しなければならない。
(部局等の責任者による許可等)
第9条 部局等の責任者は、研究責任者から研究の実施の許可を求められたときは、倫理委員会の意見を尊重しつつ、当該研究の実施の許可又は不許可その他研究に関し必要な措置について決定し、人を対象とする生命科学・医学系研究審査結果通知書(別記様式第2)により、研究責任者へ通知しなければならない。この場合において、部局等の責任者は、倫理委員会が研究の実施について不適当である旨の意見を述べたときには、当該研究の実施を許可してはならない。
2 部局等の責任者は、前項の通知に当たっては、決定内容が不許可である場合には、その理由を記載しなければならない。
3 研究責任者及び研究対象者等は、決定内容に疑義があるときは、部局等の責任者に説明を求めることができる。この場合において、部局等の責任者は、当該事項について、倫理委員会又は部局等の責任者が別に定める委員会等に意見を求め、その意見を尊重するものとする。
4 部局等の責任者は、当該部局等において行われている研究の継続に影響を与えると考えられる事実を知り、又は情報を得た場合には、必要に応じて速やかに、研究の停止、原因の究明等の適切な対応をとらなければならない。
5 部局等の責任者は、研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう若しくはそのおそれのある事実を知り、又は情報を得た場合には、速やかに必要な措置を講じなければならない。
(研究の概要の登録)
第10条 研究責任者は、介入を行う研究について、厚生労働省が整備するデータベース等の公開データベースに、当該研究の概要をその実施に先立ち登録し、研究計画書の変更及び研究の進捗に応じて更新しなければならない。
2 研究責任者は、介入を行う研究以外の研究について、厚生労働省が整備するデータベース等の公開データベースに、当該研究の概要をその研究の実施に先立って登録し、研究計画書の変更及び研究の進捗に応じて更新するよう努めなければならない。
3 前2項の登録において、研究対象者等及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のため非公開とすることが必要な内容として、倫理委員会の意見を受けて部局等の責任者が許可したものについては、この限りでない。
(研究の適正な実施の確保)
第11条 研究責任者は、研究計画書に従って研究が適正に実施され、その結果の信頼性が確保されるよう、当該研究の実施に携わる研究者をはじめとする関係者を指導・管理しなければならない。
2 研究責任者は、侵襲を伴う研究の実施において重篤な有害事象の発生を知った場合には、速やかに必要な措置を講じなければならない。
(研究実施状況等の報告)
第12条 研究責任者は、研究の実施状況について、研究計画書に定めるところにより人を対象とする生命科学・医学系研究実施状況報告書(別記様式第3)を部局等の責任者に提出するものとする。
2 前項の規定にかかわらず、部局等の責任者が必要と認めたときは、研究責任者に対し、研究の過程において、研究遂行上の報告を求めることができる。
(研究の変更・中止)
第13条 研究責任者は、既に許可された研究計画を変更又は中止しようとする場合は人を対象とする生命科学・医学系研究計画(変更・中止)申請書(別記様式第4)を部局等の責任者に提出するものとする。
2 部局等の責任者は、前項の申請書を受理したときは、倫理委員会に諮問しなければならない。
3 部局等の責任者は、倫理委員会の審査結果を尊重し、研究計画の変更又は中止の許可又は不許可を決定し、人を対象とする医学系研究審査結果通知書(別記様式第2)により、当該研究責任者が所属する部局等の長を経て、研究責任者へ通知しなければならない。この場合において、倫理委員会が不承認の意見を提出した研究については、その実施を許可してはならない。
4 研究責任者は、前項による結果通知を受けて、研究を中止した場合は、人を対象とする生命科学・医学系研究(中止・終了)報告書(別記様式第7)を部局等の責任者に提出しなければならない。
5 部局等の責任者は、倫理委員会が研究計画の変更若しくは中止の意見を述べた場合にはその意見を踏まえ、研究の変更又は中止を決定し命ずるものとし、人を対象とする生命科学・医学系研究計画(変更・中止)通知書(別記様式第5)により、研究責任者へ通知するものとする。
6 研究責任者は、前項の変更命令を受けたときは人を対象とする生命科学・医学系研究計画変更報告書(別記様式第6)を、同項の中止命令を受けたときは人を対象とする生命科学・医学系研究(中止・終了)報告書(別記様式第7)を、部局等の責任者に提出しなければならない。
(研究終了後の対応)
第14条 研究責任者は、研究を終了(中止の場合を含む。以下同じ。)した場合は、人を対象とする生命科学・医学系研究(中止・終了)報告書(別記様式第7)及び研究結果の概要を、倫理委員会及び部局等の責任者に提出しなければならない。
2 研究責任者は、研究を終了したときは、遅滞なく、研究対象者等及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のために必要な措置を講じた上で、当該研究の結果を公表しなければならない。この場合において、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものについて、結果の最終の公表を行ったときは、遅滞なく部局等の責任者へ報告しなければならない。
3 研究責任者は、介入を行う研究を終了したときは、第10条第1項で当該研究の概要を登録した公開データベースに遅滞なく、当該研究の結果を登録しなければならない。
[第10条第1項]
4 研究責任者は、介入を行う研究以外の研究が終了したときは、第10条第1項で当該研究の概要を登録した公開データベースに結果を登録するよう努めなければならない。
[第10条第1項]
5 研究責任者は、通常の診療を超える医療行為を伴う研究を実施した場合には、当該研究を終了した後においても、研究対象者が当該研究の結果により得られた最善の予防、診断及び治療を受けることができるよう努めなければならない。
(インフォームド・コンセント等)
第15条 研究者等が研究を実施しようとするとき、又は既存試料・情報(以下「既存試料等」という。)の提供を行う者が既存試料等を提供しようとするときは、部局等の責任者の許可を受けた研究計画書に定めるところにより、手順書に定めるそれぞれの手続に従って、原則としてあらかじめインフォームド・コンセントを受けなければならない。ただし、法令の規定により既存試料等を提供する場合又は既存試料等の提供を受ける場合については、この限りでない。
第16条 他の研究機関に対して既存試料等の提供を行おうとする者は、事前に他の研究機関への既存試料・情報の提供に関する届出書(別記様式第8)を部局等の責任者に提出するものとする。
2 部局等の責任者は、前項の届出書を受理したときは、倫理委員会に諮問しなければならない。
3 部局等の責任者は、倫理委員会の審査結果を尊重し、既存試料等の提供の許可又は不許可を決定する。
4 前2項の規定にかかわらず、文書、電磁的方法若しくは口頭によりインフォームド・コンセントを受けている場合又は指針第8の1(3)アに該当する場合であって、倫理委員会の委員長が倫理委員会の審査を省略することができると判断した場合は、部局等の責任者は当該判断を受けて許可することができる。
5 部局等の責任者は、第1項の届出書について、当該届出に係る既存試料等の提供をした日から3年を経過した日までの期間保管しなければならない。
(研究の倫理的妥当性及び科学的合理性の確保等)
第17条 研究者等は、研究の倫理的妥当性若しくは科学的合理性を損なう又はそのおそれがある事実を知り、又は情報を得た場合(次項に該当する場合を除く。)には、速やかに研究責任者に報告しなければならない。
2 研究者等は、研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう又はそのおそれがある事実を知り、又は情報を得た場合には、速やかに研究責任者又は部局等の責任者に報告しなければならない。
3 研究者等は、研究に関連する情報の漏えい等、研究対象者等の人権を尊重する観点又は研究の実施上の観点から重大な懸念が生じた場合には、速やかに部局等の責任者及び研究責任者に報告しなければならない。
(研究の進捗状況の管理・監督及び有害事象等の把握・報告)
第18条 研究責任者は、研究の実施に係る必要な情報を収集するなど、研究の適正な実施及び研究結果の信頼性の確保に努めなければならない。
2 研究責任者は、前条第1項による報告を受けた場合であって、研究の継続に影響を与えると考えられるものを得た場合(次項に該当する場合を除く。)には、遅滞なく、部局等の責任者に報告し、必要に応じて、研究を停止し、若しくは中止し、又は研究計画書を変更しなければならない。
3 研究責任者は、前条第2項又は第3項による報告を受けた場合には、速やかに部局等の責任者に報告し、必要に応じて、研究を停止し、若しくは中止し、又は研究計画書を変更しなければならない。
4 研究責任者は、研究の実施において、当該研究により期待される利益よりも予測されるリスクが高いと判断される場合又は当該研究により十分な成果が得られた若しくは十分な成果が得られないと判断される場合には、当該研究を中止しなければならない。
5 研究責任者は、研究計画書に定めるところにより、研究の進捗状況及び研究の実施に伴う有害事象の発生状況を倫理委員会及び部局等の責任者に報告しなければならない。
6 研究責任者は、多機関共同研究を実施する場合には、共同研究機関の研究責任者に対し、当該研究に関連する必要な情報を共有しなければならない。
7 部局等の責任者は、前条第2項若しくは第3項又は第2項若しくは第3項の規定による報告を受けた場合には、速やかに学長に報告するとともに、必要に応じて、倫理委員会の意見を聴き、速やかに研究の中止、原因究明等の適切な対応を取らなければならない。この場合において、倫理委員会が意見を述べる前においては、必要に応じ、研究責任者に対し、研究の停止又は暫定的な措置を講じるよう指示しなければならない。
(大臣への報告等)
第19条 学長は、本学が実施している又は過去に実施した研究について、指針に適合していないことを知った場合(第17条第2項若しくは第3項又は前条第2項若しくは第3項の規定による報告を含む。)には、速やかに倫理委員会の意見を聴き、必要な対応を行うとともに、不適合の程度が重大であるときは、その対応の状況・結果を文部科学大臣及び厚生労働大臣(以下「大臣」という。)に報告し、公表しなければならない。
2 学長は、本学における研究が指針に適合していることについて、大臣又はその委託を受けた者(以下「大臣等」という。)が実施する調査に協力しなければならない。
(利益相反の管理)
第20条 研究者等は、研究を実施するときは、個人の収益等、当該研究に係る利益相反に関する状況について、その状況を研究責任者に報告し、透明性を確保するよう適切に対応しなければならない。
2 研究責任者は、医薬品又は医療機器の有効性若しくは安全性に関する研究等、商業活動に関連し得る研究を実施する場合には、当該研究に係る利益相反に関する状況を把握し、研究計画書に記載しなければならない。
3 研究者等は、研究計画書に記載された利益相反に関する状況を、インフォームド・コンセントを受ける手続において研究対象者等に説明しなければならない。
(研究に係る試料及び情報の保管)
第21条 研究者等は、研究に用いられる情報及び当該情報に係る資料(研究に用いられる試料等の提供に関する記録を含む。以下「情報等」という。)を正確なものにしなければならない。
2 部局等の責任者は、人体から取得された試料及び情報等の保管に関する手順書を作成し、当該手順書に従い、当該部局等で実施される研究に係る人体から取得された試料及び情報等が適切に保管されるよう必要な監督を行わなければならない。
3 研究責任者は、人体から取得された試料及び情報等を保管するときは、前項に定める手順書に従い、研究計画書にその方法を記載するとともに、研究者等が情報等を正確なものにするよう指導及び管理し、人体から取得された試料及び情報等の漏えい、混交、盗難、紛失等が起こらないよう必要な管理を行わなければならない。
4 研究責任者は、第2項に定める手順書に従い、前項に定める管理の状況について部局等の責任者へ報告しなければならない。
5 部局等の責任者は、研究責任者が管理する人体から取得された試料及び情報等について、論文等による研究結果の最終報告から原則として次に掲げる期間(既存試料等の提供に関する記録については、既存試料等を提供した日から3年を経過した日までの期間)において適切に保管されるよう必要な監督を行わなければならない。匿名化された情報について、部局等が対応表を保有する場合には、対応表の保管についても同様とする。
(1) 試料 5年間
(2) 情報等 10年間
6 部局等の責任者は、人体から取得された試料及び情報等を廃棄する場合には、特定の個人を識別することができないようにするための適切な措置が講じられるよう必要な監督を行わなければならない。
(モニタリング及び監査)
第22条 研究責任者は、研究の信頼性の確保に努めなければならず、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものを実施する場合には、当該研究の実施について部局等の責任者の許可を受けた研究計画書に定めるところにより、モニタリング及び必要に応じて監査を実施しなければならない。
2 研究責任者は、研究の実施について部局等の責任者の許可を受けた研究計画書に定めるところにより適切にモニタリング及び監査が行われるよう、モニタリングに従事する者及び監査に従事する者に対して必要な指導及び管理を行わなければならない。
3 研究責任者は、監査の対象となる研究の実施に携わる者及びそのモニタリングに従事する者に、監査を行わせてはならない。
4 モニタリングに従事する者は、当該モニタリングの結果を研究責任者に、監査に従事する者は、当該監査の結果を研究責任者及び部局等の責任者に報告しなければならない。
5 モニタリングに従事する者及び監査に従事する者は、その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も同様とする。
6 部局等の責任者は、第1項によるモニタリング及び監査の実施に協力するとともに、当該実施に必要な措置を講じなければならない。
(重篤な有害事象への対応)
第23条 部局等の責任者は、侵襲を伴う研究を実施しようとする場合には、あらかじめ、重篤な有害事象が発生した際に研究者等が実施すべき事項に関する手順書を作成し、当該手順書に従って適正かつ円滑に対応が行われるよう必要な措置を講じなければならない。
2 研究責任者は、侵襲を伴う研究を実施しようとする場合には、あらかじめ、研究計画書に重篤な有害事象が発生した際に研究者等が実施すべき事項に関する手順を記載し、当該手順に従って適正かつ円滑に対応が行われるよう必要な措置を講じなければならない。
3 研究者等は、侵襲を伴う研究の実施において重篤な有害事象の発生を知った場合には、第1項に定める手順書及び前項の手順に従い、研究対象者等への説明等、必要な措置を講じるとともに、速やかに研究責任者に報告しなければならない。
4 研究責任者は、研究に係る試料・情報の取得を研究協力機関に依頼した場合であって、研究対象者に重篤な有害事象が発生した場合には、速やかな報告を受けなければならない。
5 研究責任者は、侵襲を伴う研究の実施において重篤な有害事象の発生を知った場合には、速やかに、当該有害事象や研究の継続等について倫理委員会に意見を聴いた上で、その旨を部局等の責任者に報告するとともに、第1項に定める手順書及び第2項の手順に従い、適切な対応を図らなければならない。この場合において、研究責任者は、速やかに当該研究の実施に携わる研究者等に対して、当該有害事象の発生に係る情報を共有しなければならない。
6 研究代表者は、多機関共同研究で実施する侵襲を伴う研究の実施において重篤な有害事象の発生を知った場合には、速やかに当該研究を実施する共同研究機関の研究責任者に対して、前項の対応を含む当該有害事象の発生に係る情報を共有しなければならない。
7 侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものの実施において予測できない重篤な有害事象が発生し、当該研究との直接の因果関係が否定できない場合には、研究責任者は、部局等の責任者に報告した上で、速やかに、第4項及び第5項の規定による対応の状況及び結果を厚生労働大臣に報告し、公表しなければならない。
(個人情報等に係る基本的責務)
第24条 研究者等及び部局等の責任者は、個人情報、仮名加工情報及び行政機関等匿名加工情報の取扱いに関して、この規則の規定のほか、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)、国立大学法人熊本大学個人情報管理規則(平成17年3月24日制定。以下「管理規則」という。)、国立大学法人熊本大学個人情報保護規則(平成17年3月24日制定。以下「保護規則」という。)及びその他関係法令を遵守しなければならない。
2 研究者等及び部局等の責任者は、死者の尊厳及び遺族等の感情に鑑み、死者について特定の個人を識別することができる情報に関しても、生存する個人に関するものと同様に適切に取り扱い、必要かつ適切な措置を講じなければならない。
3 研究者等は、研究の実施に当たって、偽りその他不正の手段により個人情報等(個人情報に加えて、死者について特定の個人を識別することができる情報を含む。以下同じ。)を取得してはならない。
4 研究者等は、原則としてあらかじめ研究対象者等から同意を受けている範囲を超えて、研究の実施に伴って取得された個人情報等を取り扱ってはならない。
(個人情報等に係る安全管理)
第25条 研究者等は、研究の実施に伴って取得された個人情報等であって本学が保有しているもの(委託して保管する場合を含む。)について、漏えい、滅失又はき損の防止その他の安全管理のため、適切に取り扱わなければならない。
2 研究責任者は、研究の実施に際して、前項の本学が保有する個人情報等が適切に取り扱われるよう、部局等の責任者と協力しつつ、当該情報を取り扱う他の研究者等に対して、必要な指導及び管理を行わなければならない。
3 部局等の責任者は、保有する個人情報等の漏えい、滅失又はき損の防止その他保有する個人情報等の安全管理のため、必要かつ適切な措置を講じなければならない。
4 部局等の責任者は、当該部局等において研究の実施に携わる研究者等に保有する個人情報等を取り扱わせようとする場合には、管理規則の定めるところにより、研究者等に対して、保有する個人情報等の安全管理が図られるよう必要かつ適切な監督を行わなければならない。
(保有する個人情報の開示等)
第26条 学長は、個人情報によって識別される特定の個人又はその代理人から、保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止等に係る請求があった場合には、指針第20の規定及び保護規則に基づき、取り扱うものとする。
2 前項の規定は、死者について特定の個人を識別することができる情報について準用する。
(雑則)
第27条 この規則に定めるもののほか、この規則の実施に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
この規則は、平成27年12月1日から施行する。
附 則(平成28年7月28日規則第393号)
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この規則は、平成28年10月1日から施行する。
附 則(平成28年8月24日規則第395号)
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この規則は、平成28年10月1日から施行する。
附 則(平成29年3月31日規則第167号)
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この規則は、平成29年4月1日から施行する。
附 則(平成29年5月25日規則第187号)
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この規則は、平成29年5月30日から施行する。
附 則(平成30年3月22日規則第163号)
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この規則は、平成30年4月1日から施行する。
附 則(平成30年10月16日規則第263号)
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この規則は、平成30年11月1日から施行する。
附 則(平成31年3月28日規則第252号)
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この規則は、平成31年4月1日から施行する。
附 則(令和2年3月31日規則第173号)
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この規則は、令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和3年3月31日規則第156号)
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この規則は、令和3年4月1日から施行する。
附 則(令和3年6月24日規則第180号)
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1 この規則は、令和3年6月30日から施行する。
2 熊本大学におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する規則(平成27年11月26日制定)は、廃止する。
3 この規則の施行の際現にこの規則による改正前の熊本大学における人を対象とする医学系研究に関する規則(平成27年11月26日制定)により実施中の人を対象とする医学系研究及びこの規則による廃止前の熊本大学におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する規則の規定により実施中のヒトゲノム・遺伝子解析研究については、なお従前の例によることができる。
附 則(令和4年3月30日規則第93号)
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この規則は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和5年3月20日規則第90号)
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この規則は、令和5年4月1日から施行する。
附 則(令和6年3月27日規則第132号)
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この規則は、令和6年4月1日日から施行する。
附 則(令和7年3月27日規則第134号)
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この規則は、令和7年4月1日から施行する。
別表(第2条関係)
生命科学・医学系研究を実施する部局等 | 責任者 |
大学院生命科学研究部、大学院医学教育部、大学院保健学教育部、大学院薬学教育部、医学部、薬学部、病院、発生医学研究所、国際先端医学研究機構、生命資源研究・支援センター、ヒトレトロウイルス学共同研究センター | 大学院生命科学研究部長(病院長が責任者となるものを除く。) |
病院長(科学的合理性に鑑みて、臨床研究、医療技術、検査及び特殊製剤に関することのほか、大学院生命科学研究部等研究倫理委員会連絡会議で臨床研究に関する倫理委員会で審査することとされたもの) | |
大学院先端科学研究部、大学院自然科学研究科、大学院自然科学教育部、理学部、工学部、情報融合学環、産業ナノマテリアル研究所、先進軽金属材料国際研究機構、半導体・デジタル研究教育機構、くまもと水循環・減災研究教育センター、先進マグネシウム国際研究センター | 大学院先端科学研究部長 |
大学院人文社会科学研究部、大学院社会文化科学教育部、文学部 | 大学院人文社会科学研究部長 |
大学院教育学研究科、教育学部 | 大学院教育学研究科長 |