○熊本大学病院肝移植適応審査委員会規則
(令和5年3月8日規則第31号) |
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(設置)
第1条 熊本大学病院(以下「本院」という。)に、生体肝移植及び脳死肝移植の実施における医学的事項及びジュネーブ宣言等の趣旨に沿った倫理的配慮を審査するため、熊本大学病院肝移植適応審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(組織)
第2条 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 肝臓疾患又は移植医療に関連した本院の内科系の医師から選出された者 1人
(2) 肝臓疾患又は移植医療に関連した本院の外科系の医師から選出された者 1人
(3) 本院の集中治療部の医師から選出された者 1人
(4) 本院の中央手術部の医師から選出された者 1人
(5) 本院の集中治療部の看護師長
(6) 本院の中央手術部の看護師長
(7) 医療倫理に関する専門家又は医療倫理に精通した医療従事者 若干人
(8) 肝臓疾患又は移植医療に関する専門的知識を有する学外の医師 若干人
(9) その他病院長が必要と認めた者 若干人
2 大学院生命科学研究部、大学院医学教育部、大学院保健学教育部、大学院薬学教育部、医学部、薬学部、病院、発生医学研究所、国際先端医学研究機構、生命資源研究・支援センター及びヒトレトロウイルス学共同研究センターの長は、委員になることはできない。
3 第1項第1号から第4号まで及び第7号から第9号までの委員は、病院長が委嘱する。
4 第1項第1号から第4号まで、第7号及び第8号の委員の任期は、1年とし、再任を妨げない。
5 第1項第1号から第4号まで、第7号及び第8号の委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前項の規定にかかわらず、前任者の残任期間とする。
6 第1項第9号の委員の任期は、病院長が委嘱の都度定めるものとし、再任を妨げない。
(任務)
第3条 委員会は、病院長の諮問に基づき、保険適用になっている生体肝移植又は脳死肝移植(以下「肝移植」という。)の実施計画に関する事項を審査し、肝移植の実施の適否その他の事項について、倫理的観点及び科学的観点も含めて意見を述べるものとする。
2 委員会は、前項の審査を行った肝移植について病院長から進行状況、終了又は中止報告その他必要とされる報告が行われた場合は、病院長に対し、当該肝移植の変更・中止その他必要な意見を述べることができる。
3 委員会は、前2項の審査に当たっては、次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) 申請に係る肝移植を受ける患者(以下「対象レシピエント」という。)及び対象レシピエントに移植片を提供する者(以下「対象ドナー」という。)の人権
(2) 対象レシピエント、対象ドナー及び対象レシピエント又は対象ドナーがインフォームド・コンセントを与えることが困難な場合には、当該対象レシピエント又は対象ドナーの法定代理人等対象レシピエント又は対象ドナーの意思及び利益を代弁できると考えられる者(以下「対象レシピエント等」という。)の理解及び同意
(3) 肝移植の実施及びその他の事項(以下「肝移植等」という。)によって生じると予知される対象レシピエント等についての危険性及び不利益
(4) 個人情報の保護の徹底
(委員長)
第4条 委員会に、委員長を置き、委員の互選により定める。
2 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。
3 次に掲げる場合には、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代行する。
(1) 審査に係る肝移植が委員長が申請したものであるとき又は委員長が審査に係る肝移植を総括する者(以下「実施責任者」という。)若しくは審査に係る肝移植を遂行する者(以下「実施担当者」という。)であるとき。
(2) 委員長に事故があるとき。
(議事)
第5条 委員会は、委員の過半数が出席しなければ、議事を開き、議決することができない。
2 委員は、審査に係る肝移植が自己が申請したものであるとき又は自己が実施責任者若しくは実施担当者であるときは、審査及び議決に加わることができない。
第6条 審査の判定は、次の各号のいずれかによるものとする。
(1) 承認
(2) 不承認
(3) 審議対象外
(4) その他
2 前項の判定は、出席した委員全員の一致を原則とする。ただし、全員の意見が一致しない場合は、出席した委員の3分の2以上をもって決するものとする。
3 委員長は、必要があるときは、実施責任者又は実施担当者を委員会に出席させ、申請に係る肝移植に関する説明及び意見を聴くことができる。
4 委員長は、必要があるときは、専門的事項に関する学識経験者の出席を求め、意見を聴くことができる。
5 委員長は、特別な配慮を必要とする者を対象レシピエント又は対象ドナーとする肝移植の審査を行う際には、必要に応じてこれらの者について識見を有する者に意見を求めるものとする。
6 委員長は、病院長が審査の内容を把握するために必要な場合には、病院長を委員会に同席させることができる。ただし、委員会の審査及び意見の決定に参加させることはできない。
(審査手続の特例)
第7条 委員会は、次の各号のいずれかに該当すると委員長が認める場合は、委員長があらかじめ指名した委員により、審査手続を迅速に行うことができるものとする。
(1) 実施計画における次に掲げる軽微な変更に係る審議
イ 実施責任者及び実施担当者の職名変更
ロ 実施担当者の削除
ハ その他対象レシピエント及び対象ドナーへの負担やリスクが増大しないと認められる場合
(2) 対象レシピエントの急な病変等緊急を要する場合で、委員長が迅速審査の必要を認めた場合
2 前項各号の審査の結果は、当該審査を行った委員を除くすべての委員に報告するものとする。
3 前項の報告を受けた委員は、委員長に対し、理由を付した上で、前項の審査結果について再審査を求めることができる。この場合において、委員長は、相当の理由があると認めるときは、速やかに委員会を開催し、当該事項について審査を行うものとする。
(審査結果の報告)
第8条 委員長は、第6条及び前条の審査の結果を肝移植適応審査委員会審査結果報告書(別記様式第1)により、病院長に報告しなければならない。
[第6条]
(申請手続)
第9条 診療科等の長は、肝移植を実施しようとする場合は、事前に肝移植適応審査申請書(別記様式第2)を、既に許可された実施計画を変更又は中止しようとする場合は肝移植適応審査委員会の審査を経て許可された肝移植の実施計画の(変更・中止)申請書(別記様式第3)を、肝移植を中止又は終了した場合は肝移植適応審査の審査を経て許可された肝移植の実施計画の(中止・終了)報告書(別記様式第4)を病院長に提出するものとする。
2 病院長は、前項の申請書を受理したときは、委員会へ諮問しなければならない。
3 病院長は、前項の審査結果を尊重し、実施計画の許可又は不許可を決定し、肝移植適応審査結果通知書(別記様式第5)により、診療科等の長へ通知しなければならない。この場合において、委員会が不承認の意見を提出した肝移植については、その実施を許可してはならない。
4 病院長は、前項の通知に当たっては、決定内容が不許可である場合には、その理由を記載しなければならない。
5 診療科等の長及び対象レシピエント等は、決定内容に疑義があるときは、病院長に説明を求めることができる。
6 病院長は、第1項の報告書を受理したときは、委員会へ報告しなければならない。
(実施状況の報告)
第10条 病院長が必要と認めたときは、診療科等の長に対し、肝移植の過程において、肝移植適応審査委員会の審査を経て許可された肝移植の実施計画の実施状況報告書(別記様式第6)により、肝移植遂行上の報告を求めることができる。
2 病院長は、前項の報告を受けたときは、委員会に報告しなければならない。
(合併症の発生への対応)
第11条 診療科等の長又は実施担当者は、肝移植実施後の周術期において、合併症の発生を知った場合には、本院の医療安全管理体制に基づく必要な措置を行わなければならない。
(実施計画の変更又は中止命令)
第12条 病院長は、委員会が第10条の報告により実施計画の変更又は中止の意見を述べた場合にはその意見を踏まえ、提供医療の変更又は中止を命ずるものとし、肝移植適応審査委員会の審査を経て許可された肝移植の実施計画の(変更・中止)通知書(別記様式第7)により、診療科等の長に通知するものとする。
[第10条]
2 診療科等の長は、前項の変更命令を受けたときは肝移植適応審査委員会の審査を経て許可された肝移植の実施計画の変更報告書(別記様式第8)を、前項の中止命令を受けたときは、肝移植適応審査委員会の審査を経て許可された肝移植の実施計画(中止・終了)報告書(別記様式第4)を病院長に提出しなければならない。
(秘密の保持)
第13条 委員及びその事務に従事する者は、職務上知り得た秘密及び個人情報を漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も同様とする。ただし、法令上別の定めがある場合は、この限りではない。
2 委員及びその事務に従事する者は、審査を行った情報の漏洩等、対象レシピエント等の人権を尊重する観点、並びに肝移植の実施上の観点及び審議の中立性若しくは公正性の観点から重大な懸念が生じた場合には、速やかに病院長に報告しなければならない。
(審査資料の保管)
第14条 委員会の審査記録の保存期間及び保存方法は、法令等に特別の定めがある場合を除き、国立大学法人熊本大学法人文書管理規則(平成23年3月30日制定)の定めるところによる。
(事務)
第15条 委員会の事務は、病院事務部経営戦略課において処理する。
(雑則)
第16条 この規則に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
この規則は、令和5年4月1日から施行する。
附 則(令和6年4月10日規則第218号)
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この規則は、令和6年4月10日から施行する。